「えっ、まだ始めてなかったの?」
気づけば夕方。塾の宿題も、朝やるって言っていた理科のテスト勉強も、終わっていない。
「後でやる」
「遊んでからやる」
その“後で”が、いつまでたってもやってこない日。
本当は怒鳴りたくなかった。
でも、焦る気持ちが声を荒げさせてしまう。
子どもは黙り込んで、リビングの空気がピンと張り詰める…。
こんな日は、受験をやめたくなる気持ちさえ湧いてしまうけれど、
「今日をリセットする方法」があれば、また明日に進める気がする。
そんな私の「心が軽くなった対処法」を、5つの実践としてまとめました。
そもそも、なぜ中学受験の計画は崩れやすい?
どんなに緻密に立てたスケジュールでも、実行するのは「まだ10歳前後の子ども」。
集中力、気分、体調、学校行事、習い事、友達との関係…。
さまざまな要因で計画がズレるのは、むしろ自然なことなのかもしれません。

頭ではわかってるんだけど…毎日バタバタで、心が追いつかないんだよね。
中学受験スケジュールが進まないとき、親ができる5つの対応法
①「できていること」に焦点をあてる
やり残しばかりに目がいくと、子どもはやる気を失いがち。
「まだコレが終わってない!」と焦る前に、
・宿題を済ませた
・時間通りに帰宅した
・遊ぶ時間をきちんと区切った
など、日常の中の“できている行動”に目を向けて言葉にしてあげる。
「今日は●●を終えたね」「自分から机に向かったね」など、
“できた行動”を積極的にフィードバックしましょう。
これだけで、子どもの自己肯定感はぐっと育ちます。
②スケジュールに“余白”をつくる
1日の予定がびっしり詰まっていると、少しの遅れで全部崩れたような気持ちになります。
詰めすぎた計画は「失敗感」につながります。
「1日で終わらなければ2日でやればいい」くらいの余白として、
「予備日」や「リカバリー日」を設けて、
あらかじめスケジュールに組み込んでおくと、心のゆとりが全然違います。
ズレても軌道修正できる柔軟な設計を心がけるのがポイント。
③「感情」ではなく「気持ち」を言葉にする
子どもにとって、怒鳴られるより“気持ちを聞かされる”ほうが心に届くことも。
たとえば「ママは、やるって言ってたのに進んでないと悲しくなっちゃう」
と、親の気持ちを冷静にシェアしてみましょう。
「怒られてる」より「伝わってる」感覚が生まれます。
子どもに責められていると感じさせない関わり方がカギです。
④週1回の「ゆる振り返りタイム」をつくる
スケジュール管理を子ども任せにするのではなく、
週末に10分だけでも一緒に「今週どうだった?」と振り返る時間を持つことで、
本人にも「次はこうしたい」という意識が生まれやすくなります。
「先週どうだった?」「どこで詰まったかな?」を
一緒に振り返る“対話の時間”が、自己管理力を育てます。
計画は「与える」より「一緒に考える」方が長続きします。
我が家の最終目標は、中学受験がゴールではなく、子どもが自分らしく学び、成長していくことだ、ということを再確認。失敗しながら、自己管理力は育ちます。
⑤完璧主義を手放す「親の心の整え方」
計画がズレると「自分の管理が甘いのでは」と責めてしまうことも。
でも、“上手くいかない日”を含めて計画だと考えれば、心も軽くなります。
親自身も「自分を許す習慣」を持つことが、実は一番の土台です。
計画通りに進まないことでイライラしてしまう自分に対しても、
「私も今日疲れてたな」「怒っちゃったけど、明日やり直そう」
と、自分自身をリセットする視点を持つことも大事。
中学受験は、親子で一緒に「折れずに続ける力」を育てていく時間なのかもしれません。
具体例:我が家の「うまくいかなかった日」

この日はどうしても感情が抑えられなかった日…
時間 | 行動 | 親の心の声 |
---|---|---|
7:00 | 起床。のんびり朝食 | (今朝は理科の復習やるって言ってたのに…) |
8:00 | 学校へ。昨日の分の漢字 | (昨日の分はなんとかやった…) |
14:30 | 帰宅。学校の宿題、基礎力テストと今日の漢字 | (1時間でこれだけしか終わらなかった…) |
15:30 | 友達と外遊び | (急がないと間に合わないスケジュールだな…) |
16:45 | 時間通りに帰宅 | (ルール守ってえらい。でも…今日の分の勉強は…) |
17:00 | ダラダラして手つかず | (言いたくないけど、もう限界…) |
18:00 | つい叱ってしまう | (しまった…伝え方を間違えた) |
この日から、我が家では「怒る前に5分だけ深呼吸して言葉を選ぶ」ことを始めました。
完璧にはできなくても、意識するだけで雰囲気がずいぶん変わりました。
また、以前から、キツイ言い方をしてしまったときは、必ず謝ることにしています。
「あんな言い方をしてはいけなかった。」と子どもに謝ることで、
親も失敗することがあること、そして悪いことをしたら謝ることを伝えようと思っています。
まとめ|ズレた日があっても、それは“進んでいる証”
✔ ポイント
・予定通りにいかないのは当たり前
・怒るより「気持ちを伝える」が効果的
・子どもの行動に「できたね」と言葉をかける
・親も「完璧じゃなくていい」と気づくこと
スケジュール通りに進まない日は、親にとっても子にとっても成長のきっかけ。
感情的になってしまう日があっても、そこからどう立て直すかを見せることが、子どもへの何よりのメッセージになるのかもしれません。
明日は今日より、少し笑顔で過ごせますように。